インタビュー

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お子さまが元気になった姿を見るのがなによりうれしいから、これからもずっと心をこめて診察していきます

子どもを助けたいという思いから、ずっと小児がんの子どもを診てきました。今、両親から受け継いだ60年以上つづくこの医院で、地域に根ざした何でもご相談いただける家庭医としてみなさまの笑顔のために尽力しています。

小児科の医師を志したきっかけを教えてください。

小児科を志したのは、身体全体を診たいという思いと子どもが好きだったからです。外科は興味がありましたが体力的な難しさを感じ、内科は全身を診られるといっても、当時はまだ女性医師の数も少なく、社会的に地位のあるような男性の診察は、若い女性医師には任せてくれないような時代でしたので、選択肢から外しました。昔は今のような大学卒業後の医師研修制度はなかったのですが、最高学年での臨床研修でいろいろな科を体験して志望を決め、卒業と同時に小児科に進んだのです。その後、研修を経て大学の医局で血液学の専門グループに入ったのですが、それは子どものがんを診たいと思ったからです。研修をした総合病院に白血病のお子さまが結構いらっしゃって、当時まだ治るかどうかが半々のような状況の中で治してあげたいという思いを強くもちました。

小児科の医師としてのやりがいを教えてください。

私は11年ほどの間、和泉市にある大阪母子医療センターでずっと小児がんを診ていたので、それがライフワークというか、やりがいでした。小児がんの領域では昔からトータルケアの考え方が進んでいて、がんの治療が最優先ではあっても気持ちも含めて診ることや、子どもに病気の説明をして治療するインフォームド・コンセントをたたき込まれました。その後、両親の医院を継ぐことになり、今は日々子どもの成長を見られることが楽しみです。以前通院されていたお子さまがよくなって足が遠のいたなと思うと、久しぶりにワクチンを打ちに来て、すごく大きくなっている姿を見たときは、「ああ、よかったな」と思います。

お子さま・親御さまにしっかり説明・丁寧な診察をするときに気をつけていることや工夫していることがあれば教えてください。

親御さまに対しては、特に難しい病気のときは病名を告げることよりも、まずはどういう病気かをよく知ってもらい、治るまでの期間やケアの仕方に重点を置いて説明するようにしています。また、小児がんのような重たい疾患の病名を告げたことで、親御さまの頭が真っ白になって何も聞けなくなってしまうようなときは、繰り返し説明するようにしています。お子さまに対しては、3歳以上は本人へもわかるように説明しています。たとえば、3歳で日本脳炎のワクチンを打つのですが、だいたい3分の2のお子さまがちゃんと聞いています。注射が痛いことには変わりはないので、もちろん泣く子もいますが、前もってなぜその注射が必要かと説明していると、泣いてもそれほどひきずらずに泣きやみます。子どもにとっては、何をされるかわからずに押さえつけられるほうが怖いのだと思います。3歳以下の小さいお子さまには、親御さまに抱っこされた状態で、机の上の動くおもちゃで気をそらせている間に注射を打つなどの工夫もしています。

4つの待合室を使用していることなど、先生の医院の作りに関してこだわりがあれば教えてください。

病気によっては隔離が必要なときもありますし、感染症がうつらないようにするためにも待合室を複数にしました。4つというのは、構造上たまたまそうなったのですが、小児科にいらっしゃる患者さまは病気もいろいろですから、最初から待合室を分けることは考えていました。また、当院は診察時間内でも健診やワクチンでいらしていただけるのですが、待合室は分けてご案内しています。健診・ワクチンは何時から何時までと指定することで感染を防ぐ方法もありますが、子育てやお仕事でお忙しい親御さまにとっては、できるだけ時間の幅を広げたほうが来やすいですから、診察時間内でもOKにして部屋を別にしています。

患者さんにメッセージをお願いします。

子育てに悩んでいらっしゃる親御さまが当院へもいらっしゃいますが、たとえ本に何が書いてあっても、子育てというのは普通の常識があればそうそう間違うことはないと、私は思っています。ですから、しっかりと愛情をもって、お子さまをみつめてください。スマートフォンではなく、しっかりとお子さまに向き合って話を聞いてあげてほしいと思います。また、小児がんをはじめとした医療的ケアが必要な子ども・若年成人と家族の為の施設、チャイルド・ケモ・ハウスや命を脅かす病気(LTC)の子どもの学び、遊び、憩い、やってみたいと思うことを叶え、その子の「生きる」を支えるための「第2のわが家」、TSURUMIこどもホスピスにも繋がりがあります。当院には離乳食がうまく食べられない、体重が増えない、発達が遅いなどでみなさんさまざまなご相談にいらしていますので、何かお子さまの成長や症状で気になることがあれば、迷わず相談に来ていただきたいと思います。